ア シュロップシャー ラッド

カテゴリー|

ア シュロップシャー ラッド A Shropshire Lad

作出:1996年/オースチン(英)
樹形:大型・半横張シュラブ(高さ140㎝×幅150㎝くらい)
花期:中咲・返り咲き
花径:大輪
交配:Heritage × 実生
備考:シュロップシャーはデヴィッドオースチンの農園のある地名。

 

カメラの腕がどんなにヘボでも、絶対美人に撮れるバラ。一株あるだけでガーデンがぐ~んと豊満になります。樹形もよく整いますし、棘も少なめ。重たげに俯いて咲く感じも大変優美。

ア シュロップシャー ラッド A Shropshire Lad

ア シュロップシャー ラッド A Shropshire Lad

ア シュロップシャー ラッド A Shropshire Lad

 


俯いて咲く―――、冒頭でサラッと書きましたけど、これ、実は大変重要なことなので補足しときます。
ネットの海を漂流してると時々、バラの諸品種の特性として「ちゃんと上を向いて咲くからいい」とか「キレイだけど下を向くのが残念」とかゆー文言に出合います。

って、いやいやいや・・・・それは決して一概には。
あくまで私の個人的な考えにはなりますが、樹高120㎝程度までのバラなら確かに上を向いて咲いて欲しいと思います。だってそのバラを愛でる時には見下ろす態になるから。
けれど樹高が140㎝を越えるバラの場合は、花は目線と並行、あるいは見上げる高さで咲くことになるから、出来れば俯いて咲いてくれたほうがいいのです。その高さで上向きに咲かれると花のうなじか葉っぱしか見えないという事態になってしまうので。特に平咲とか横顔の平べったいロゼット花の場合は宝の持ち腐れ状態に。もちろん高芯であるとかディープカップであればその横顔を楽しむことは可能でしょうが、やっぱり香り渦巻く多弁の重なりとか輝くような花蕊の美しさとかを真正面から堪能出来ないのはどうしたってもどかしい・・・・・
そしてなにより。
俯いて咲くシュラブローズの樹姿全体の見栄えは本当に優雅なのですヨ。これを愛でずしてガーデンローズの何を讃えましょうや?とさえ。

アシュロップシャーラッドは私にそのことを教えてくれた師匠。もしイングリッシュローズ特有の『俯いて咲くバラの価値』がイマイチ解らないとお思いなら、どうぞ、自然樹形にて庭に佇むこのバラの、或いは・・・そうね、ウィリアムモリスとかセントセシリアあたりの咲き姿を是非御覧下さいませませ。きっとご理解頂けるかと思います。

ア シュロップシャー ラッド A Shropshire Lad⇧⇩の黄バラはグラハムトーマス。樹高はトーマスのほうがありますが、スケール感(ボリューム)としては大体同じくらいのシュラブになります。ア シュロップシャー ラッド A Shropshire Lad

ア シュロップシャー ラッド A Shropshire Lad


⇧⇩ユーゲンフルスト

ア シュロップシャー ラッド A Shropshire Ladあ、それとこの方、ちと暑がりみたいで、夏場に葉っぱを落とすことがあります。若いころ特にそうだったような。とはいえ樹勢は良いので問題なくすくすくと生育して今現在♪
それからごくごくたまぁ~にですけど機嫌の悪い年がある。理由はよく解んない。冬の寒さって訳でもなさそう。厳冬明けのシーズンは絶好調だったもん・・・・・・・・・って、さぼり!? まぁ、それで御本人様がリフレッシュ出来るってのならつべこべ言うのも野暮でしょうけど(笑)。