キュー ガーデン

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キュー ガーデン Kew Gardens

作出:2009年/オースチン(英)
樹形:シュラブ
花期:中咲・繰り返し
花径:中小輪
交配:実生×実生

 

栽培歴数年を経て、いつの間にか庭主の認識が180°変わったバラ。
何がどう変わったか。
まずは栽培当初の認識を。

“・・・ん~~・・・・こっちの勝手な思い込みだったので御本人さまには大変申し訳ないんですが、思ってた感じとは随分違ったなぁ~というのが正直なトコロ。
まずは案外花径が大きかった。イメージ的には野ばらのような・・・だと思ってたんで。初めて咲いた花を見た時は「へっ?」ってなりました。
とはいえ中小輪ながらひとつひとつの花は少しフリルがかってエレガントだし、シベの辺りも仄かな光が差したよう。蕾も優しげな色。キュー ガーデン Kew Gardens イングリッシュローズ脇役に徹した葉の色艶もバランスがいいし、樹姿もよく整います。横張のシュラブってことだったんですけれど実際はどちらかというとフロリバンダみたいなブッシュ樹形・・・・?・・・・い、いえ、それはそれで何の問題もありません。すこやかに生育してますし、棘ナシですし。
だからただ単に私の勝手な思い込みが要らぬバイアスをかけてしまっただけで、これはこれとして上手くお付き合いしていこうと気持ちを切り替えることにしたんですけれども。
それでとりあえずジュビレドゥプリンドゥモナコの相伴役として。

過ぎるほどに華やかな個性ゆえにパートナーを選り好みしてしまうジュビレ~の、言うなれば宥め役の任を担って貰った訳ですが・・・・ところが植え付け2,3年を経た頃、大変残念な欠点が発覚しまして。
花がね、降雨に物凄く弱いんです。びっくりするくらい。一重の小輪系はうちにも沢山ありますけど、こんなに弱いのはないですね。寧ろ一重の小輪って雨に強いイメージすらあって。例えば同じくらいの花径のビンゴなんか1~2週間雨が降り続いて他の品種が軒並みボーリングしていく中で、パッカパッカ何食わぬ顔で咲く訳ですよ。まぁシベが濡れて黒くなるのは仕方が無い。庭植えしてる以上赤斑もある程度は覚悟。だけどそういうレベルの話じゃなくて、たった一晩の雨で花弁が溶けちゃう。“散る” ならまだしも、溶けて薄い膜みたいになって花房を覆って見苦しくなる。確かに透明感のある花弁ですけど、それにしたってさ。もちろん少し手を入れればリセット出来ます。が、ちょっと目に余りまして。
そんな訳でジュビレ~の隣は退いて頂きました。あそこ、庭の真ん中らへんで一番目立つところなので、コンスタントに奇麗でいてくれないと具合が悪くて。移植してちょっと調子落としてましたケド、夏以降は機嫌直してました。ので、来シーズンからはそれなりな場所でそれなりに咲いてくれると思います。ドンマイ。”


というのが、以前の所感。
そして⇩からは『それなりな場所でそれなりに咲いている』今。


プレイボーイ ⇩プチモーツァルト

うん・・・・・ホント、誠に大変申し訳ございませんでした。。。
今更ながら、『キューガーデン』というイギリスが誇る王立植物園の名前が冠されたことの意味を知らされる思いです。
確かにこの白花一重のシンプル極まりないバラには、原種的な美しさがあります。けれど当初の私はこのバラを「思いのほか野バラっぽくない」と感じました。逆に何やらヨーロッパ的な華やかさを感じさせると・・・・・・でも最近になってふと気づきました。私個人の主観では野バラ=ノイバラなんですけれども、欧州の方々にとってはカニーナとかラクサこそが野バラなんですよね、実に当たり前のことですが。で、一旦そう気づいてみるとこのバラがまるで四季咲き性のラクサのように見えてきて・・・・・って、あーーー、そうか・・・・『オールドローズの優雅さに四季咲き性を与えた』オースチン・・・・・つまりキューガーデンもまた紛うことなきイングリッシュローズのひとつ、ということですね。。。
ちなみにココに移植してからは『花弁が雨に溶ける』という欠点は見受けられなくなった気がします。樹が大人になって弁質がよくなった為か、場所的に目くじら立てなくて良くなった為に気にならなくなったかは定かではありませんが。
要するに、すべては私の見当違いが齎した迷走経路だったという顛末です😓