サマー メモリーズ

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サマーメモリーズ Summer Memories

作出:1992年/コルデス(独)
樹形:大型・横張性シュラブ
花期:遅咲・繰り返し
花径:大輪
交配:Spectra× 実生

 

あらゆる意味で最強の白バラ。
サマーメモリーズ Summer Memories コルデス Kordes
兎も角まずは花のこと。見目はご覧の通り、アンティーク風の大輪で、純白ではなくクリーミーな白。美しく整ったまぁるいディープカップは最後まで決して形を崩しません。決して。にも拘わらずこのフンワリ感。この風情を以ってして花保ちがいいなんて、ちょっと意味わかんない。

実際このテの花は天候によってはフワッ!と一瞬で散っちゃうか、それとも逆に、茎にしがみついたまま薄茶色く朽ちていくかなんですけど、このバラの場合、盛りを過ぎてもほぼそのまんまな状態で花房の中にステイしてる。で、花殻摘みに伸ばした掌の中でホロリと崩れ落ちる。一体どんな親で何を目指せばそんな都合のいいスペックを持った品種が生まれるんだ???
しかもこの白バラの最強スペックは他にある。それはサ、
花が雨に強いこと。当庭中、断トツで最強。(あ、平咲小輪系はまた別ね)
『雨痛みしない白バラ』として名高いのはタンタウのアルテミスですが、アルテミスすら赤斑だらけになる当地の梅雨を被って、この方はほぼ無傷。基本的に白もしくは淡いピンクの大輪花で花弁ギュウギュウの芳香種しかも遅咲きとくれば、当地では赤斑やらボーリングは或る程度覚悟しなきゃいけないんですが、このバラの場合「雨痛み?何それオイシイの?」って勢い。バラ期後半が梅雨に丸被りする当地に於いて、このスペックはホント最強。
⇩は3日間グダグダに続いた梅雨空の、その雨上がり。
サマーメモリーズ Summer Memories コルデス Kordes
有り得ないでしょ。本来の花形よりいくらか丸くなってて、見る人が見たら絶好調でないのに気づかれるでしょうが、決して汚くはありません。一体何がどうなった?
そして花がこれだけ強いんだから(…花が強い、ってなんだ)樹勢なんかいわずもがなで、
太枝性でよく茂り、葉っぱなんかビッカビカで病気知らず。
『初期生育は遅い』って話もありますが、少なくともうちにある2株はあっという間に大型化・・・・っていうか、うちではむしろ植え付けから数年ほどは余りに生育旺盛すぎて庭主一同ちょっと半笑い気味になってた位。でも成木になった頃合いにて漸く落ち着いたって感じ。もちろん2株共。よっぽどうちの環境がお気に召したのかしら? 類似品種のコスモスは確かに初期生育遅いですケドネ。 あ・・・もしかしたら、『初期生育』というのは新苗(1年生苗)時代を指しているのかも? うちは大苗(2年生)スタートにしてるからハナから頭になかったけどそういう話なのかもしれないです。確かにそう考えてみれば、こうして大輪多花性&伸長力のある太枝というスペックを内包している以上、根っこパヤパヤで首も据わってない赤ちゃんの頃はその生長が却って緩慢に視える可能性はありますよね。
まぁ兎も角これ以上は絶賛の言葉しかないので、とりあえずこのバラの素晴らしいパフォーマンスをど~ぞ~。

サマーメモリーズ Summer Memories コルデス Kordes

サマーメモリーズ Summer Memories コルデス Kordes 

・・・・いやマジでこの方の画像ならフォルダからナンボでも出てきます。だって咲いてさえいればほぼ100%いつでも美しいんですから、そりゃそうなりますわナ。。。


あ、そうそう。一般には微香とされてるみたいですが、軽やかな甘さで私は好きなんですよね。ちょっと青林檎っぽい感じ。

⇧のピンクはキョウカノコ  ⇩奥のピンクはつる春霞のキャスケード仕立て。
サマーメモリーズ Summer Memories コルデス Kordes

⇧⇩の奥はアプリコットネクター

サマーメモリーズ Summer Memories コルデス Kordes⇧⇩の左奥はギスレーヌドゥフェリゴンド 手前はハニーサックル ‘ゴールドフレーム’
ってか、絶賛しっ放しってゆーのもちょっとアレなんで、欠点らしきを敢えて挙げておこうかな・・・だってそうでもしないと、もはや嘘っぽいような気がするでしょ(笑)。

【サマー メモリーズの欠点】
①逞しさ。太枝性で伸長力があり、しかも横張の強い大型品種だから、初めっからそのつもりでないと扱い切れないと思う。ツルバラだからアーチに絡めて・・・なんてゆータイプじゃない。それは大型犬を一人暮らしのワンルームで飼うようなもん、って言えば伝わります?
②古枝が比較的折れやすい、かも。ただこれはうちが、基本的には支柱ナシでバラを自立させてるので感じたことかもしれませんけど・・・・要するに、横張した長い枝で大量の花房を支える状態になるので、いくら太幹でも3年以上の古枝は折れやすくなる、みたいな。まぁ、折れたら折れたで春にはそこからガンガン芽吹くんで、うちとしてはまったく問題にもしてないんですけど、一応、覚え書きとして。(これがもしセルフ剪定スペックなら、もはや化け物だな・・・)

類似品種について
お顔がよく似た大型品種にセバスチャンクナイプローズマリー(ヘリテージの白)があります。が、それぞれに個性があります。とりあえず3品種中、最もたくましく大型化するのがこのコ。
それとうちにはいませんが、顔写真だけならブランピエールドロンサールにも似てますよね。ブラン~はピエールドロンサールの枝変わりなので性質は同じはず。となると双品種の違いは、
①花期:ピエールドロンサールは中咲で基本的には一季咲(弱い繰り返し性はありますが) 一方サマーメモリーズは遅咲で真夏と秋にもしっかり咲くタイプ。
②樹姿:ピエールは直立性シュート。サマーは横張性シュート。なので、株元から身丈程の高さまでは出来るだけコンパクトに、けれど上空では大きく誘引したいならピエール。身丈程度の高さまでを幅広く目隠ししたい(誘引したい)ならサマーメモリーズのほうが適任じゃないかな。
ちなみに花径の大きさと枝幹の逞しさはどっこいどっこい。あとは好み。スペックを比較しながら品種選びをするのもロザリアンの醍醐味なので、何かのお役に立てればww

 

 

【秋バラ】


もそっとイイ画像があれば良かったんだけど、とりあえず雰囲気だけでも。
赤バラはレッドレオナルドダビンチ

って【追記!】
やらかした。丁度⇧に写ってるほうの一株が2022年春に枯死。犯人はカミキリ。
嫌ァーーーーーーッ!!!
どんなに強健な品種であっても日々の目配りは大事ってコトですね。メドウ風なんつってテキトーに放っぽってたから発見が遅れたんだと思う。。。只今猛省しております。