ロザリューム ウェーターセン

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ロザリューム ウェーターセン  Rosarium Uetersen

作出:1960年頃/コルデス(独)
樹形:横張性つる
花期:中咲・繰り返し
花径:中大輪
交配:Karlsruhe × 実生

 

耐候性の高いツルバラ。信頼してます。ハマナスの血筋を持っているらしく棘が多くて、しかもゴツゴツした横張り気味の枝振り。ツル自体にしなやかさはあるものの、誘引はケッコー気合いれないと厄介です。パフォーマンスそのものは最高!幅広で高さのある壁面向き。但し家庭用アーチには止めといたほうが。。。収まり切らないでしょうし、何しろ棘がさ。

スプレー咲というより大きな花手まり状態になって咲きます。開花直後の発色は、ちょっと蛍光オレンジが入ってる感じで人目を惹くコーラルピンク。オールドローズ系の上品で楚々とした色合いを好む方にはおススメ出来ませんが、バラ期特有の華やかさだとか豪華さを存分に楽しみたい方には超おススメ。数日経つと程よく褪せて落ち着いたピンクになります

⇧は咲き始め。⇩はわりと咲き進んだ状態。 ⇧の手前はジェーンオースチンで、かなり咲き極まった状態が⇩ 真ん中から下のほうが特にそうかな。でも汚くはないからすごく助かる。先に咲き終わった花がブルーイングした状態で花房の中にステイしてる感じ。⇧の状態までなったら、庭ボウキを持ってバッサバッサと叩きます。すると咲き終わってもなお花房の中にシレッとステイしてた花だけが見事に散り落ちてとりあえずキレイになる。その作業中、運よく(?)遭遇したお客様はほぼ120%悲鳴を上げます(笑)。桜吹雪ならぬ薔薇色の猛吹雪! 咲いて絵になるドコロか、このバラはもはや散り際までがパフォーマンスなのかも。ちなみにこの薔薇吹雪になる品種は他にもいくつかあります。なのでアトリエの庭ボウキはこの時期、大活躍です(笑)。あ、もちろん花房が全部咲き終わったら切り戻しますけどねww

⇧の右手前は、同じくコルデスのムーンライト。どちらもツルバラとして流通してますが、ロザリューム~が誘引が必須なのに対し、ムーンライトは自立した自然樹形を愉しむことの出来るシュラブローズです。(とか言ってたらいらっしゃった!誘引しない自然樹形でロザリューム~を咲かせてる方!ロシア語圏のサイトでグラウンドカバー状態になってた!なんてダイナミックな・・・・って、あー・・・でもあぁしてみると確かに砂浜に自生してるハマナスによく似てるワ。。。)

ロザリューム ウェーターセン  ウッテンセン ユーテーレセン Rosarium Uetersen

⇧⇩は咲き終わりの頃。ちなみにこの時ピエールドゥロンサールは終わりかけ。そもそもこの御方の対岸を張れるバラっていうのも並大抵なもんじゃないでしょww
隣りの白いツルバラは遅咲きのモン ジャルダン エ マ メゾン ⇧手前パールピンクのシンデレラ共々、一気に終わるロザリュームの後をガッチリ咲き継ぎます。


あ、そうそう。ごくごくたまぁ~に、微妙に色味の薄い花(メアリーローズくらいなピンク)の咲く枝が出てる時がある。多分枝変わりだと思うんだけど・・・・残念ながら然程のスペシャル感もないんでほっといてます(笑)。ところでこのロザリュームウェーターセン。素晴らしくハイスペックなつるばらなんですが、何しろ名前の難しさが災いしてると思う。。。ネットをザッと浚っただけでもウッテンセンだの、ウーターセンだの、ユーテーレセンだの。ドイツ語なんで私も何が正解なのか知りません。確か『Uetersenのバラ園』って意味で、そのUetersenっていうのはタンタウ社のバラ農園がある村の名前だったと記憶してます。が、作出者はコルデス2世なんですよね。ってことは・・・どっちなんだ? ちなみにコルデス社の農場がある村シュパリースホープを冠したバラもちゃんとあります。まぁ、分類的にはハイブリッドコルデシ―(コルデスによるハマナス由来の交配種群)とされているのでコルデス作出に間違いないんでしょうが、とりあえずこのバラそのものはタンタウっぽい雰囲気があります。コルデスっぽくはないです(…って言っても、きっと誰にも伝わらないだろーな……)ロザリューム ウェーターセン  ウッテンセン ユーテーレセン Rosarium Uetersen

ロザリューム ウェーターセン  ウッテンセン ユーテーレセン Rosarium Uetersenドイツ作出のバラは基本的に強健で耐寒性も強く、寒冷地のバラ栽培にはもってこい。
その中でもコスデスのバラには抜群の信頼性があります。最近のうちでは、お迎えする新品種を選ぶ基準が『コルデスか否か!』くらいの勢いだったりして(笑)。だってほぼ全勝。植えたはいいけど育たなかった、なんていう品種の覚えがまるでない・・・・これって凄いことだと思う。(…たった一つだけ、あることはある。でもそれは諸処絡んでるんで、とりあえずノーカウントで)
それから、大輪系で遅咲き種といえばコルデス作出の品種がかなりを占めているんじゃないかな。

花のお顔はイングリッシュローズのような上品で素直な感じが多く(微妙な差異で言えば、イングリッシュローズはいつ如何なる時でもエレガント。対してコルデスのは気立ての良さにどこかメルヘンちっくな可愛らしさが含まれる・・・って伝わります?)で、イングリッシュローズを花保ちよくして、樹を逞しく頑丈にした感じがコルデス。一方タンタウメイアンギヨーなどフレンチローズに感じるオシャレさや華やかさがあって、樹の性格も品種それぞれの個性がはっきり出ます。花期も早咲き~遅咲きまで様々。

ともかく、このロザリュームウェーターセン。実力的には確実に最優秀の部類に入るべきツルバラ。これだけ一気盛大に咲くにも関わらず繰り返し咲きで、秋バラなんて傾国のディープカップロゼッタ。アトリエを訪れたロザリアンの皆様は必ずと言っていい程このバラの名前をお尋ねになります。ロン様のように超メジャーなバラもいいですが、あまり知られてない名花というのも自慢出来てよいものです♪ (ただし繰り返しますが棘はスゴいですヨ)


ちなみに⇧⇩以降は北側壁に植えてる別株。さすがに日当たりのと比べると覚束ないですが、それでもそこそこ。花期は一週間以上遅れます。ちなみに白の小輪はうちの娘♪


・・・・って、あれ~・・・・ってゆーかさ、これ、色違くね??? フロントにある株に時々発生するライトピンクとはまた違った感じ。とはいえ株のコンディションとか日照条件とかも絡んでるから一概に枝変わりと言えるかどうかは正直微妙なんだけど、これはこれでワリといいわね。。。真偽のほどは来シーズン以降ってことで。

 

【秋バラ】


お客様に「四季咲きのツルバラってあるの?」と訊かれれば、とりあえず私は「まずは、これ!」って答えますww もちろん一番花時とは比べるべくもありませんが、実際の秋景色の中でこれくらい咲いてると「充分充分♪」って感じ。不思議なものですけど。