ロサ オドラータ Rosa Odorata
作出:原種、或いはオールドチャイナ
樹形:直立性シュラブ
花期:早咲・一季
花径:小輪
備考:ラテン語で『香るバラ』の意。和名『白長春』
ネット上で確認したら、どうも四季咲き木立性のオドラータ(=Hume’s Blush Tea-scented China.)もあるようですが、うちのはつるで一季咲なのでRosa chinensis albaと同一品種と思われます。流通上の名前がいろいろアバウトになってるのは、むしろ何気に愛され続けてきた証かもしれないですね。日本でも江戸時代から知られていたらしいし・・・・って、まぁ、そもそも『匂いバラ』なんてフワッとした名前で呼んじゃうと大体そうなるって気はしますけどね(笑)。
殆ど棘の無い直立性のシュラブなので、ツルバラとしてどんな仕立てにも対応出来る万能品種。もちろん壁面を覆う仕立ても可能でしょうが、御本人の立ち姿そのものが既に美しいので、うちではそのスペックを最大限に利用してます。ナチュラル演出のガーデンを目指す方には超おススメ。ちなみにうちでは3株あります(笑)。だって何処においてもサマになるし邪魔にならないし。
まず⇧⇩はエゴの木に引っかけましたバージョン。つる枝が垂直落下してもまったく問題なく先っぽまで咲いてくれるので、労せずして『バラが降り注ぐ景色』が作れちゃいますww
で、⇧⇩の株も立ち木に引っかけてはいますが、こちらは立木全体を支柱代りにしたほぼ自然樹形バージョン。そもそもが直立性シュラブなんですけれども、流石にこれだけ枝が長くてしなやかだと多少は添え木に括ったほうが安全かな・・・って程度の誘引。なので当然枝先は御本人任せで優雅なアーチング。
そして⇧⇩はアーチに誘引バージョン。あ、木製アーチとスチールアーチが混在しますけどお気になさらず~。株自体は同一で同じ場所のもの。
誘引しているとはいえ、アーチ本体からは結構離れてます。そして巷では基本とされるS字誘引なんてしてません。だから誘引というより、『近くにアーチがあるから、ぶらぶらぐらぐらする枝をちょい寄りかけて結んでおいた』程度。しかも株の全枝をそうするんじゃなくて、手頃な感じのを2, 3本のみ。残りの枝はご近所の樹木にテキトーに。もちろん色鮮やかにゴージャスな大輪バラがギッシリ咲き誇るバラアーチも素敵だとは思うんですが・・・・まぁ、ヨソはヨソ、うちはうち(笑)。
・・・ってゆーか、そもそも私、その『S字誘引』ってものにかなり懐疑的。
いえ、理屈は解るんですけれども・・・・でも実際、花期はともかく花の無い時期に見て、枝が無理やりグニャグニャ曲げられて縛り付けられてるのはちっとも美しいと思えないし、逆にちまちまとS字に曲げるのに向く品種は・・・・大抵、曲げようが曲げまいがカンケーなく咲きません? 少なくとも私は、S字に誘引しなければ咲かないバラを知りません。
⇧⇩パートナーはヤブデマリ。この組み合わせ、とっても気に入ってる♪
ついでに思いっきりズームアップして一輪ずつのお顔を見てみましょう。
紅を差した蕾。けれど咲くとクリーム白から真っ白になる。それから時間経過とともに花びらの先から再び薄紅を滲ませ出します。けどその後は散っちゃうから樹全体がピンクになることはありません。あくまでナチュラルな白バラって感じです。
ただ、咲き初めにしろ咲き終わりにしろ、紅を浮かべた表情はホント一瞬の出来事。しかもこうして大量に咲くコの場合、毎日任意の一輪を見つめて暮らしてる訳でもないもんで(コラ) 更に言えばこの現象、開花時の天候(日照0r気温またはその両方)にも大きく影響されているらしく、うちより暖地で開花したこのバラをネット画像で見かけ、思わず「…え!?違う違う!なんぼなんでもそんなにピンクには咲かないよ!?」って瞠目することもあったり。バラは気候によって花色が違うことはよく知られていますけれども・・・・うん。。。沼だな(笑)。
ともかく、当地では5月中旬~6月上旬頃お天気が続くことが多く、なので早咲きのバラほど、始めっから最後まで雨に当たらず大満足に咲ききることが多くなります。そこいくと、例えば花容はよく似ててもポールズヒマラヤンムスクとかブラッシュ ノワゼットなんかは遅咲きなんで、当地では梅雨にどっぷり嵌って咲き切れないor咲いても数日持たずに咲き終わっちゃう、なんてことが多々。その点においてもオドラータのパフォーマンスは◎です。一季咲ですが、たいした誘引もしないで確実に美しい景観を長期に渡って魅せてくれるバラ。