ピオニーガーデン4

ごっごめんなさい!ものすごぉ~く今更なんですけど。
とはいえシーズン中、うちの庭で咲き誇る芍薬類をごらんになって、矢も楯もたまらずご自分の庭に投入された!という方々が結構いらっしゃいまして、向後もどなたかの何かのご参考になればと。

そもそも「牡丹と芍薬の違いって?」
英語ではどちらもPeony. 但し牡丹はtree peony、芍薬はherbaceous peonyとして区別することもあるそうで。要するに牡丹は木で、芍薬は草ってこと。両者の決定的な違いはそれです。実際うちでも牡丹は灌木(シュラブ)として、芍薬は宿根草扱いで庭に配置しています。

もっと詳しく言えば牡丹は旧枝咲の花木なので、冬越しした幹枝から新茎を2,30センチくらい伸ばしてそこ花を咲かせます。『座れば牡丹』とはまさに言い得て妙。厳かに整えられた設えに、絶世の美女が悠然と座するような咲き姿。また花のない時期でも、牡丹の木の存在感は庭に格調を齎します。ただ、それだけに剪定が難しいんですよ。苗を植え付けてから数年程度までなら殆ど無剪定でも問題ないですが、それ以降は放ったらかしにすると年々確実に大きくなっていって、余程の広いスペースがない限りいずれ持て余す可能性があります。品種或いは環境によっては、身丈×両腕幅を軽々と越える特大シュラブになることも・・・・とはいえバラのようにガッツリ切り戻しても確実に芽吹く!とはぜんぜん限りませんし。まあだからこそ大きな牡丹の木が居住まう庭は、間違いなく本物の庭だと感じるんでしょうが。

一方、芍薬は草なので冬期に地上部はありません。春になって地面から真新しい茎がスラリと長くまっすぐ立ち上がり(品種にもよりますが60~80㎝位)そしてその頭部にひとつずつ大きな花を咲かせます。『立てば芍薬』っていうのはそういう草姿を見止めたものでしょう。数年以上植えっぱなしにしていると相当な大株になって何本もの花茎が立ち上がるようになりますが、そういう訳で毎年リセットされるため草丈自体はさほど変わりません。この性質からしても、切り花としてよく目にするのは芍薬のほう。

そのほかの違いとしては、葉っぱの形状やら香りの有無などいろいろあることはありますが・・・・・あとは花期が明確に違います。
当地の庭植えの場合、牡丹の最盛期は早咲き遅咲きひっくるめても5月中頃の10日あまり。もちろん雨に祟られるともっと短期間になりますが。対して芍薬は5月下旬~6月中旬で順次・・・・・言い換えると、牡丹はバラが咲きだす前の圧倒的主役花で、芍薬はバラとコラボする主役花ってことです。
赤い芍薬はダイアナパークス。オレンジ色のバラはレディーオブシャーロット。

◆芍薬

多彩な花の美しさは言わずもがなですが、花がない時期でもしっかりとボリュームある葉姿の株は安定した美しい緑を保ちます。バラに比べて病害虫の心配が殆どいらない上に、牡丹と比べると花期がぐぅ~~~~~んっ!と長く、しかも草本だから剪定位置で思い悩む必要が一切ない!
大きな庭では勿論ですが比較的小さなお庭であっても、芍薬が一株あるだけでその空間がストンと気持ちよく収まるかと。シュラブローズやつるバラの足元隠しにもおススメします。

【レッドチャーム】
目が覚めるほど鮮やかな真紅。早咲き。モッコウバラの咲く頃です。
咲き始めると中心部がみるみると盛り上がっていき、最終的には巨大なポンポンになります。


うちで一番古くから植えてる品種。なので、株分けに次ぐ株分けを経てかなりな株数になってます。


多分【ダッチェスデネムール】

うちではレッドチャーム同様最古参なので同じ位の株数にはなってます。が、こちらは群植してなくて庭中に点在させてる状態。ただまあ、そろそろ位置替えしてリニューアルさせよっかなぁ?とは思ってます。紅白であること以外でレッドチャームとの大きな違いは、遅咲きであること。なのでこちらはバラの最盛期と花期が被ります。

【サラベルナール】だと思う・・・
これも古参の遅咲き。御覧の通り大変お美しい御方なんですが・・・・
何故立たぬ? 降雨を被らなくても花期はこの状態になるソートーな困ったちゃん。手前のサツキをベッドに見立てる方法とかいろいろ試行錯誤してましたけど・・・・向後は撤収の方向です。やっぱ芍薬は立ってナンボと思う訳です(苦笑)。


【コラリー】
うちではずっと【コーラルチャーム】として育ててたんですけど・・・・・違う! 確かに比較的大型(高性)で若干早咲きなこととか、眩さを感じるコーラル系の発色とかいろいろ共通する個性はあるんですが。コラリーはコーラルチャームよりピンク寄りです。


他に類似品種として【フレーム】っていうのも植えてます。けど今年は撮らなかったみたい・・・何故だ?
つか、それ言い出したら【プリマベーラ】とかも今年は一枚も撮れてない・・・・やっぱあれかな?庭映えがイマイチだと無意識にスルーしちゃうっていう。。。来年こそはちゃんとしようかと。

 

えぇ~とそれから・・・・これはおそらく【妖精】だと思う・・・・ってすみません!品種紹介してるのにさっきからそんなんばっかで。というのも庭づくり当初は芍薬にさほど拘りなかったので品種名があやふやなんです。で、今更ながら画像検索かけて確認してみても芍薬はバラに比べるとデータ量が圧倒的に少なくて、素人にはちょっと確定しきれないんですよね。。。さすがに最近購入したのは品種名を記憶してるんですけども、⇧に関してはいつどこで何のつもりに購入したんだか、さっぱり覚えてない!
とはいえ、目を瞠るほどに大変美しい品種ではあることは確か。澄んだ桜色の一重が爽やかです。ゴージャスな翁咲きや万重も素晴らしいですが、外連味のないシンプルな美しさにも心惹かれます。バラとの相性もいいですね。遅咲きで花期もしっかり被りますし。


でもこれは大丈夫。【紅日輪】大変可愛らしく、艶やかな品種。お気に入りです♪
ポット苗を植え付けて数年経つと⇧⇩な感じに。ほう~ら、植えてみたくなったでしょ(笑)?


【滝の粧(よそおい)】 
遅咲き。外弁が淡い桜色。
こちらは庭にお迎えしてから比較的年数が浅いのでまだまだ本領発揮とは言い難い。株自体はそこそこ大きくなってますが、庭映えさせるためには植栽コーディネートをもう少し見直したほうが良さそうですよね。何事もキャリアの積み重ねってことです。


【シザレア】

庭で初めての開花。一輪でしたけど・・・・デカっ! 2,3年もしたらさぞや見事でしょう。


【エデンスパヒューム】

こちらもまだまだ本来の御顔ではありませんけど。でも来年あたりは・・・期待してます!
他にも期待の若株が多々。何事もお楽しみは多いほうが幸せですよねww

 

◆ハイブリッドピオニー

芍薬と牡丹の交配種。両者のイイトコ取りした比較的新しい系統で、一般的にはハイブリッド芍薬と呼ばれてますが・・・語感がイマイチで言い難いったら(笑)。しかも牡丹ドコいった?

あ、それと後々混乱を招かないよう先に補足しときますが、うちが言ってる「ハイブリッドピオニー」とは伊藤ハイブリッド系統のことです。対してオランダ系ハイブリッドピオニーは、うちでは単に「芍薬」としています。だって・・・芍薬だもん(笑)。

ともかくこのハイブリッドピオニーは、私的には超絶におススメ!!!
牡丹や芍薬に比べると実際のところケッコー強気なお値段で流通してるのでポット苗購入の際はもしかしたら二の足を踏むかもしれませんが・・・・・・悪いことは言いません!見つけたら即買いでどうぞっ☆彡
とはいえどんな花姿か解んないことには話になんないでしょうからとりあえず、

・・・ね? いいでしょ♪
御覧のとおり、花貌と葉っぱの形は牡丹似。とはいえ牡丹のように背丈ある木にはならないので、芍薬同様に宿根草として扱えばOK。但し根元が木化して冬期も地上に僅かながら残ります。ちょうどラベンダーやセージみたいな感じって言えば伝わるかな? 春にはそこから芽吹きます。草丈は芍薬よりむしろ低性で、おそらく70㎝以下。大株になったら株分けも出来ます。⇧のは植え付け8年くらいの株で、この後株分けしました。

で、何を以って私がこのハイブリッドピオニーを『超絶におススメ!』するかといえば・・・・
なにはさておき、ガーデン内でのパフォーマンスの素晴らしさ! 開花した一輪ずつの花保ちが非常に良い上に、蕾が次々に咲いていくので株全体の花期が抜群に長いんですよ。多少の降雨など気にも留めずに咲き誇り続け、花茎がさほど長くないので倒伏する心配もない。もちろん花後もこんもりとした葉姿が安定感を保ちます。なのでもうね・・・・ハイブリッドピオニーを植える為になら、そこに植わっているバラを撤収させかねないほどの熱の入れよう(笑)。

【ヒラリー】 ⇩は⇧を株分けしたもの。但しうちではずっと【コッパーケトル】として育ててました(またか…)。 でも昨年たまたま巡り合って確認の為に購入したコッパーケトルの苗が今年咲かせた一輪はこれと微っ妙ぉ~~~~っ!に違うような違わないような・・・(咲き始めの色合いが若干ピンク系とオレンジ系…? でもすぐにどちらもアプリコットに抜けて確証が持てなくなる)・・・・遠い記憶を辿れば、花ナシ株の状態でこれを購入した時に売り場で一緒くたになってたのがヒラリーだったんで(散々迷ったんでよく覚えてる。今となっては迷わず両方買っときゃ良かったと激しく後悔)取り違えがあったとすればおそらく。


⇧みると【ヒラリー】だけど、⇩みるとやっぱ【コッパー】?って気もする。実際、庭の中では⇩の色合いのほうを長い期間眺めることになるので尚更。もちろん品種にもよりますがハイブリッドピオニーの特徴のひとつが、この絶妙な色合いとそのドラマチックな色彩の変遷。花一輪あるいは一瞬だけをたまたまに切り取った画像一枚じゃあ絶対見分けられないと思う。なので今んところ⇩の品種群もイマイチ見分けがつかないでいまふ。

【ジュリアローズ】

【ビジョンオブシュガープラム】

【パステルスプレンダー】
勿論あと2,3年もすれば各品種の個性とか違いとかがはっきり視えてくるかもしれませんが、とりあえずそれまでは「どれでもいいじゃん!だってみんな綺麗だし!」ってことにしといて下さい(笑)。更に言っちゃうと、今春【ピンクダブルダンディ】ってのも買ったけど、おそらくそれも⇧系統の色合いだと思う。。。い、いやでもだってホント、微妙な違いがどうのこうのなんて細かいコト言ってる場合じゃないくらい、どれもこれもが素晴らしい色合いなので。

で、その絶妙な色彩の変化を極めたようなのが【マジカルミステリーツアー】 


ね!ちょっとすごくありません? 咲き始めと咲き終わりで完全にベツモノ。

もちろんハイブリッドピオニーでも、色彩の移り変わりがないものもあります。
例えば庭主ぞっこん♡の【コーラルイス】


牡丹より牡丹らしい花の芍薬(笑)。色合いも美しくキュートで、同時期に咲くバラともムリなく調和します。花保ちも抜群で、一株で2週間ぐらいは咲いてるんじゃないかな・・・・なので散り際さえ大満足に眺めてていられます♪


【オリエンタルホワイト】
もちろん白は別格。これを美しいと言わずして何をや。


おっと、一枝だけハーフ&ハーフ。ウィンチェスターキャセドラルみたいですね。たまたまかもしれませんけど、固定だったら尚オモシロ。

んで、⇧を含めてすべてのハイブリッドピオニーの元となったのが、⇩の【オリエンタルゴールド】
でもこれさ・・・・赤ブロッチが入ってるのと入ってないのがいるんだけど、なんでだろ? しかもよく見ると丸弁カップ咲きっぽいのとフリフリ弁の違いもある。個体差?それともまた品種違い???

ま、ともかくホント、なんだっていいです♪ ハイブリッドピオニー万歳!

 

そして期待の新人【モーニングライラック】 来年以降、チョー楽しみにしています!

天野 ちと
あとりえティストウ管理人