ガートルードジェキル Gertrude Jekyll
作出:1986年/オースチン(英)
樹形:シュラブ
花期:中咲・返り咲き ※備考アリ⇩
花径:中大輪
交配 :Wife of Bath × Comte de Chambord
備考:咲き始めは若干早いので早咲きにいれてもいい位ですが、株全体での花期が長くてバラ期後半まで頑張ってくれるのでとりあえず中咲ということで。
アンティーク風っていうと、ついついセピアめいた くすみのある色合いを連想しがちですけど、そもそもオールドローズっていうのは、こんな風に外連味のないピュアで艶やかな色を纏っているものなんですよね・・・・作為ではなく天恵を感じる色合い。そしてそう考えるとこのガートルードジェキルは『アンティークローズのリアルな再現』なんじゃないかと思います。対して近年作出のフレンチローズと日本のバラは『ファンタジーとしてのアンティーク風』・・・・って伝わるかなぁ~? ハッと眼を瞠るほどの鮮やかなピンクにふとそんなことを思いました。
ともかくこのバラは、本物のオールドローズガーデンの中にあっても、なんら違和感なくその輝きを発揮するのでしょう。もちろん宿根草やハーブと混植させたナチュラルガーデンにも。上質な暮らしを感じさせるバラです。
樹形は直立性のシュラブで、比較的コンパクトに収まってます。標準的なブッシュローズくらいのサイズ感。ネット上で確認すると随分大きく育ってるのも見受けられるので、うちのは例の如くに寒冷地仕様なんだとは思いますが・・・・・でもさ、イギリス本国のデータでも樹高120㎝って書いてあったし、だからここではこれで合ってるんだと思う。実際、株のサイズ感と樹の佇まいがとっても塩梅よくまとまってて大変気に入っております♪
そして香りもまたオールドローズらしい強いダマスク香。英国で250年の伝統ある『ローズエッセンスを抽出する品種』として初めて選定されたイングリッシュローズなんだとか。んでも、重厚感とか格調とかを感じさせる深紅系のダマスク香ではなくて、華やかで爽快な感じの・・・・・ものすごい古い時代の、バラがまだ野趣を纏っていた頃の溌剌としたイメージです。
正面からみたお顔はご覧の通りに素晴らしいグラデーションを魅せてくれるものの、典型的なロゼッタで横顔が平べったいので、写真撮る時のアングルがケッコー難しい御方でもありまして。ちなみに⇧の黄色はゴールデンセレブレーション。彼女はディープカップなんでどの角度からでもそれなりなんですけど、ね? このコ見てると高芯のティーローズが一世を風靡したっていうのが物凄くよく理解出来てしまう・・・なぁ~んてことはモチロン御本人には御内密に(笑)。
⇧白っぽいのはニンファ。奥は斑入りタニウツギ。
一斉開花する品種も素晴らしいけど、ローズガーデンを公開してる立場としては、この品種のように小出しにして長期間咲いてくれるタイプがすごく助かる(笑)。⇧は咲き始めの頃(右奥のほうのピンクね) ⇩は咲き終わりの頃。株全体の、花と葉の比重があまり変わってないの解ります? 実際この位のバランスがキレイだと思うんですけど。
ちと花殻摘みが間に合ってなくてアレなんですが・・・・でもなんつーか、このバラに関してはそれすらホンモノに見せる演出な気すらして(言い訳!?)
【秋バラ】
ほんの少しですが返り咲きます♪ ただこれがまた面白さを感じるトコでもあって。本物のオールドローズがホントに返り咲いたら、きっとこんな風なんじゃないかと・・・・・・例えば中世のヨーロッパにタイムスリップする時、私はこれを持っていく(笑)。きっとみんな凄く驚くww