さくらがすみ 桜霞(つる)

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桜霞 さくらがすみ ※当庭栽培はつるタイプのほう

作出:1988年/鈴木省三氏
樹形:つる(3M以上)
花期:若干早咲・返り咲き
花径:中輪
備考:フロリバンダ品種の枝変わり。ブッシュタイプのほうは四季咲き(うちにはいないけど)

 

咲き始めはクリーミーな淡い桃色ですが、時間経過と共にみるみると紅を滲ませます。その様を眺めていると、まんま『静心(しづごころ)なく花の散るらむ』 若干早咲きなこともあり、これが咲き出すと気持ちがザワザワと急いて落ち着かなくなってしまいます(笑)。うちでは珍しく誘引組のツルバラです。特大オベリスクみたいになってますが、杭を立てて、そこにパイプを放射状に立て掛けてまとめた御手製です。構造はこちらと同じ。⇧⇩モシャッとひっついてる蔓はクレマ。みんな好き勝手してるので庭はもはや無法地w


・・・ソフトクリームw
特徴的な色移りは開花期のお天気の案配に大きく左右されています。天候不順で肌寒い年なんかは最後までピンクがかったアイボリーなままでいることもありますし、咲き始めたと思ったら艶色に染まりあがってる年もある。なので毎年同じ景色には決してなりません。

そして⇩ここまできたらオシマイ!桜霞 さくらがすみ ツル⇧手前は夏椿の ‘夜明け前’ ⇩はヤナギラン。両方とも従来種より早咲きです。 桜霞 さくらがすみ ツル
ちなみに花期を終えた桜霞はというと、
花が摘み取られた瞬間からモシャモシャ部隊の支柱係にサクッと転身! だってティストウの庭のローズガーデンショーはまだまだ後半へと続いていますので~。

 

【秋バラ】


花弁数が減って軽やかなセミダブル。個人的には実はこっちのほうが好みだったり(笑)。そしてきっちり誘引されたハイシーズンとは別モノの樹姿。よりのびやかに奔放に。

なんというか・・・・まるで泥んこまみれで元気いっぱいに帰ってきた我が子を眺める親目線。野放図に好っきなだけ伸び放題になったシュート群とぴっかぴかな笑顔に「・・・うわぁ~・・・」って呟くその感じ(笑)。

 

【耐寒性について】

・・・えぇ~っと・・・・思いがけず、やらかした。しかも酷冬越えの2021年ではなく、2022年春。⇧の状態で元気いっぱい巨大化してた地上部がほぼ全滅。芽が生きてる部分まで切り戻した結果が⇩
折角だから角度を変えてもう一枚。

いやいやいやいや、ホントびっくりでしたわ。この桜霞の株もかれこれ20年近くなりますけど、多分初めての経験。
まぁ確かに、ごくたまぁ~にですがツル枝の先っぽのほうが凍害によって枯れこむことはありました。けど、そもそもが巨大化してる株なんでさほど問題視もしてませんでしたし、何より既述の通り2021年の酷冬越えも難なくクリアしてた訳ですから。
なのでこの状況だけなら「え?それってホントに凍害?なんか別の問題があったんじゃね?」って考えたくなるんですが、実はまったく同じ状況がこちらにも発生したのでそういうことなんでしょう。詳しくはそちらの頁の最下部あたりに記しましたので、ご関心のある方は是非どうぞ。

で、⇧の株がその後どうなったかというと、⇩その年の6月下旬。当庭がバラ期後半の頃。本来の花期よりは多少遅れたとはいえ、あの状態からこれだけ咲いてくれれば御の字です。元品種(ブッシュタイプ)が四季咲き、つまり新枝咲なので、大強剪定後のツルバラであってもおそらくいくらかは咲いてくれるだろうとは思ってましたが・・・やれやれ(笑)。ちなみに花がギッシリ咲いてるあたりで樹高7~80㎝くらいかな。

そして花枝だけでなくツル枝もぐんぐん伸びてますよね。っていうかボーボー(笑)。勿論バランスというか見栄えは悪いんだけれども今期は致し方ありませぬ。景観のことは周辺植栽に任せてあなたはひたすら復旧に努めて頂戴。

そしてこの後、秋までにはかなり復旧したんだけれども・・・・・実はサ。長年楽しんできたこの桜霞のソフトクリーム仕立て(?)これを期に止めようと思いまして。
いや、あれはあれで見事だったの。見事だったんだけれども・・・・・誘引が重労働で。花殻摘みも同様。ぶっちゃけ脚立仕事は出来ることならしたくない。。。
それにあの仕立て&見栄えにそろそろ飽きたってところもある。毎年毎年同じ誘引スタイルで同じ景観を作るってのはやっぱりね・・・・・もしくは庭に対する志向が変わってきたということかも。庭主の作為は出来る限り見せないように。そしてバラ自体がもっとのびのびと好き勝手に咲き誇るような・・・・・ってな訳でモノは試しに2023(笑)。 サイドに写ってるトレリスは、ソフトクリーム仕立ての頃モシャモシャしてたクレマ用。桜霞がまさかの欠番となった2022、いきなり行き所無くなって慌てて用意したもの。で、今度はそこに桜霞のつるを寄っかけてみた
とはいえ以前のような『ザ・誘引!』ではまったくないです。ちょっと沿わせたり引っかけたりしてる程度。基本的には四方八方に広げた感じ。
まぁもちろん見栄え的にはまだまだ改善の余地があった訳ですけれども、でもそれは『ツルばら=誘引』としていた頃には知り得なかった別スペックが発揮されたということでもありまして・・・

・・・・ぅお~~~~~~いっ!!!ちょっと待って、これ、むちゃくちゃ綺麗にキャスケードするタイプじゃないの!なんで!?なんで今まで誰も教えてくれなかったの!?(当たり前ですツルバラを御本人任せにしとく庭師なんてそうそういません)

ってな訳で来期以降お楽しみに~~~~☆彡