ピエール ドゥ ロンサール

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ピエール ドゥ ロンサール Pierre de Ronsard

作出:1987年/メイアン(仏)
樹形:大型・直立性シュラブ(つる扱いが定番)
花期:中咲・返り咲き(勢い余った風に繰り返し咲き性はみせますが・・・)
花径:大輪
交配:(Danse des Sylphes × Händel) × Kalinka, Cl.

 

・・・・本題に入る前にひとつ、どーでもいい備考をば。
あのサ。昔は『ド』だったよね? いつのまに『ドゥ』になった? ふと気が付いてネット浚ったら、今は『ドゥ』表記がフツーみたいですね。ま、個人的には今更どっちでもいいんだけど(だってフランス語の発音なんか知らないしw)⇧の表記はとりあえず世間様に合わせてみました(笑)。実際うちでも他品種の『de』は『ドゥ』って記してるし。それで考えたんだけど・・・・きっとあれだ。この方が爆発的な人気品種となった当時は日本人向けには『ド』が妥当だったんだろうな。そしてこのバラが日本全国の津々浦々にまで広まり続けるうちに、もっとオシャレっぽい響きのある『ドゥ』に切り替えられていったんじゃないのかな。ほら『ゼリー』っていうより『ジュレ』って言ったほうが今の流行りっぽいじゃん? そんな感じでさ(笑)。兎も角そんなこんなに一時代をまさしく無双で咲き誇り、そして今なお世界中で愛され続ける特別なバラ。

現実半世紀近くも昔の品種となりましたし、特に最先端の流行に敏感なロザリアンやガーデナーにとっては最早定番過ぎて『…もうオナカいっぱい…』感すらあるやもしれませんが。
・・・でもね。この20年間毎年オープンガーデンをし続け、数多のお客様の視線と歓声を糧としてきた庭主に言わせると、このバラの放つ圧倒的存在感と求心力は他の追随を決して許さないのですよ。大げさでも何でもなく。それはもう絶対的に。そしてこれはおそらく、どこのバラ園の主もそう感じているだろう世界共通認識かと。

最も特徴的な縁取りのピンクは、開花前の気温&日照に案外影響されるみたいです。そのため天候不順で冷え込んだ年なんか、殆どブラン~状態になることも。
なのでうちでは、そちらはあえてにお迎えしなくてもいいかな、と。そりゃ勿論「純白だよっ!?芳香種だよ!?」とかって言われたら話は違ってきますけど((´∀`))
⇧御機嫌なロン  ⇩ブラン化したロン

って折角だから(?)開花直前のひと月ほどが天候不順で日照時間が相当少なく、よってかなり寒い日が続いた2020年シーズンの記録画像をばいくつか。


ね? こうなると殆どブラン~そのものじゃネ?まぁこれはこれであれだけど(…?)やっぱロン様はくっきりピンクのグラデーションが本領だと思うんですよね。ちなみに⇩は2022年。これくらいは発色してもらわないとさ♪


さて本題に戻りまして基本スペックのお話を。
枝ぶりは直立性。ベーサルはまっすぐ上にぐんぐん伸びます。しかもゴン太。これをオベリスクに巻きあげたりS字に曲げて誘引するには・・・・・いえいえ一切必要ありませんw 枝は立てたままでOK。必要に応じてのみ最低限のサポートやら誘引やら。そして多すぎたりなんなりで扱いあぐねる余分な枝を適宜段カット。それだけで上から下までまんべんなく咲き誇ります♪


誘引からこぼれ落ちた一枝。何がどうなったって悔しいくらいに絵になる御方。

⇧咲き始めの頃は早咲きのスパニッシュビューティーと共演。
⇩終わり頃にはクレマのビルドリオンご到着。ついでに⇩のお供は ‘踊り場’。


ちなみに⇧はほぼ自立した状態でアーチになってます。⇩で分かります? 
既存のアーチとかわざわざ設置しなくても基本的に自分でちゃんと立てるコなので、余計な手だしはしない方針(笑)。もちろん大輪多花性ゆえに開花期はその重量に負けてしまいますから、最低限のサポートはしてますけれども。⇧ちょっと角度を変えると⇩  対岸にはジューンベリー。手前の白バラはセバスチャンクナイプ。 


オニシモツケ・・・ここに植えた覚えはないんだが・・・・ま、いっかww

で、うちには3株あって、別に狙った訳じゃないけどそれぞれ別の仕立てになってます。⇩はブッシュ仕立てのロン様。もちろん支柱ナシで自立してます。

確かに⇧の仕立て方なら鉢栽培でもイケそうな気がしますが、何しろデカいです。身丈程の樹高で仕立ててます。切り詰めればもっと低く出来るかもしれませんが、ロン様は開花時に俯くのでお顔を愛でる為には高めの位置で咲かせないと。それに根本的に大型種なので、もっすごいシュートがバンバン出ます。それを覚悟しておく必要があるんじゃないかと。

ピエール ド ロンサール Pierre de Ronsard


で、ブッシュ仕立ての更に進化形が⇩

⇧⇩寄り添ってるピンクはつるティファニー
ど~ゆ~コトかと言いますと、ガッツリ自立したロン様のその逞しさを見込んで、お隣にいたクライミングローズの支柱係を兼任してもらった次第(笑)。そしたらさぁ、止むを得ずに頼ったティファニーばかりでなく、頼られたロン様のほうも更に美しく、そして芳しく! 当庭屈指の最強タッグとなりました♪

うふふふふ~♪


大変良き良き♪ もはや説明書きなんか邪魔くさいだけとも思いますけれど・・・・・
折角ですから、あともうひとつだけ、補足しておこっかな。。。

【寒冷地のシュート対策について】

何度も言いますが、ピエールドゥロンサールは太幹性なので、植えつけて2,3年経つとぶっといベーサルシュートがガンガン伸びてきます。これが基本。
ところが、ですよ。
うちでロンサールを初めて植えた頃、このベーサルシュートが冬越し出来ないことが幾度かありました。3M近くもスクスクと逞しく伸びたのに、春になると殆ど枯れてる状態。なんでそうなってしまうのか、ホントいろいろ考えてみた結論として。
当地のバラ最盛期は6月で、お盆を過ぎると秋風、11月には霜が下ります。要するに生育期が短いのです。だから御本人に任せておくと、折角伸びたシュートが充実する前に休眠しなくちゃいけなくなる。なので、お盆を過ぎたらそれ以上伸びないように、そしてその分の力で中身が充実するようにシュートの先端をカットしてみることにしました。すると果たして、来シーズンの主力幹としてシュートが冬を越せるようになりました。植えつけてから数年以上経って、樹が充分に大人になれば耐候性もあがるみたいなんで今ではかなりイイカゲンでも充分冬越し出来てますが、寒冷地で同様の問題を抱えてる方にとって何らかの手掛かりになれば。

※但し、ルージュ ピエール ドゥ ロンサール(エリックタバリー)はまったくの別品種です。多分ロン様のネームバリューに乗っかったんだと思うけど、そういうの正直・・・ちょっとね。ちなみにロゼ~とブラン~は枝変わりらしいので、花色以外のスペックはピエールドゥロンサールと同一なはず。

 

 

【秋バラ】

弱い繰り返し咲き性はあるものの、本来の美しさは一番花のみ。

⇧⇩は夏バラ(2番花)。実際、この程度の繰り返し咲き性はあるんですけれども、それが美しいと感じるかどうかはまた別のお話。なのでうちでは基本的に一季と認識してるんですが・・・・

実は秋バラも結構いけてるんですよね。なのでうちでは返り咲き性のバラとして捉えるに至ってます。 ⇧くらい咲けば(リンゴを撮ろうとした画像なんでちょいあれですが)ツルバラの返り咲きとしては十分じゃない? それに御顔もいいんだな、これが。

で、ちなみにブラン化した年の晩秋が⇩ 笑っちゃうほど良き発色でした。やっぱ御本人的にも心残りあったのかもね(笑)。

・・・・って、黒星? あーーーーいいのいいの秋はありのままが風情なのw そもそも黒星ごときで衰弱する品種はうちの庭で生き残ってないってば(笑)。夏以降の薬剤散布はお天気次第。出来ないとそりゃこうなるけどそれはそれで仕方ないって割り切ってます。そのせいで翌年黒星塗れになったって記憶もないし。