スパニッシュ ビューティー Spanish Beauty
作出:1927年/スペイン
樹形:つる
花期:早咲・一季
花径:大輪
交配:Frau Karl Druschki × Chateau de Clos Vougeot
備考:別名『マダム グレゴワール シュテーヘリン Mme.Gregoire Staechelin』
うちで最も溺愛されているバラw ハイシーズンの訪れを告げるバラでもあります。一般的なツルバラとは一線を画する優雅さ。一季咲きというと残念がられますが、そうじゃないんです、このバラの美しさはそういう次元の話じゃないの!
ちなみに⇧トルソーは両肩と首がセリア、バストとウエストがダイソー、腰から下はハンギング用バスケットとキュウリのU字支柱ねw あとはペンキと結束バンドがあればOK
まずは樹形・・・というか枝振りがね。いい感じに抜けてるんですよ。随分前の画像となりますが分かりやすいので⇩参照。スパニッシュ ビューティーは、近年のつるばら品種のようにベーサルシュートをガンガンに出すようなコじゃない。葉っぱもモッサモサには茂らない。(右側がピエールドロンサールなんで丁度好対照。あ、別にロン様を貶してる訳じゃないんだけど)
スパニッシュは親譲りの気品ある樹姿で、生育はおとなしく感じる程にゆったり。だけど自由奔放でエレガント。可能であれば、御本人の意思を出来るだけ尊重する感じで最低限の必要箇所だけを誘引してあげたほうが、この方の持ち味を最大限に生かせるんじゃないかと思います。
※但し寒冷地仕様の樹姿である可能性あり。暖地栽培の場合はどうやら相当旺盛に茂るらしい・・・・まじでか・・・・・・ソレハソレデ。。。





そして次に花容について
あーもー、なんて美貌なの! 親譲りの樹姿と言いましたが、この美貌もね。お顔立ちはまったく違うのに同じランクの美貌なんてちょっと素晴らしすぎて現実感さえない・・・って、え?どちらのお嬢様かって?・・・・それはネ、こちら様♪(⇦クリックでどうぞ)



そして香りも◎ 開花期は爽やかでほのかに甘いティー香がアトリエ玄関付近を満たします。

・・・ところで。ここまであげた画像群で既にお気づきかもしれませんが、同じ株なのにピンクの濃淡が画像によって明らかに違ってますね。これはカメラの腕とか年年による天候の違いではなく、枝齢の違いによるもの。この件にかんしては後程詳しく説明しますので、とりあえず以下ごちゃまぜであることを予めご了承を。

例えば⇧2025年 ⇩2020以前










一斉開花タイプではありません。優雅に順番に咲いていきます。なので一季咲きですが花期が長い長い! 咲き初めはモッコウバラの頃、咲き終わりはピエールドロンサールのピーク期。そうして花弁一枚一枚ひらひらひっそり、儚げに美しく散り消えていく・・・・そういうバラって他に無いじゃないですか。

作出者はスペインの天才・ペドロドット氏。訳あって作出品種数は決して多くはありませんが、このバラだけを見ててもホント天才だったんだと甚く納得してしまう・・・・だって有り得ないくらいに美しいんですから。で、この方の経歴を見てて実はハッとしたんですが・・・・・この方、もしや?と。
【あとりえTistou】の、Tistouっていうのは、【緑の指】っていうフランスの児童書に出てくる男の子の名前(呼び名)なんですよね。私の子供の頃からの愛読書で。それでその子には庭師の師匠がいるんですけども、その庭師のモデルになった人物が多分ペドロドット氏なのではないかと・・・・いえ、むかぁ~し昔、どっかで読み齧ったような気がするんです。あの庭師のおじいちゃんにはモデルになった実在の方がいらっしゃるという話。時代的にも一致しますし、何より『内戦によって大事な庭を焼き払われた』という過去が。ペドロドット氏作出のバラが希少なのはその為です。このスパニッシュビューティーは辛うじてその命を繋ぎ留めた品種。
もちろん違うかもしれません。でも。そんな逸話に想いを馳せながらこのスパニッシュビューティーを見上げると、尚一層、心がギュウ!としてしまうのです。



↑の右側はショウキウツギ ‘ピンククラウド’ ↓の山吹色の蕾はアルキミスト
あえて短所をあげれば、花後にうどんこ病に罹りやすいので注意が必要ってことくらいかな。でも基本的には丈夫で、育てやすいバラだと思います。植えつけて2,3年は、「…ん?」って思うくらいおとなしいですが、数年後にはきっと素晴らしい景観を魅せてくれるでしょう。それと早咲きなので、当地では梅雨前の一番お天気が続く時期に咲いてくれるのも高ポイント。青空に映える、すこやかで美しいバラです。


⇧⇩一応同一株です。⇧は以前のフェンス仕立て。⇩は・・・・ドームっていうかオベリスクっていうか。と言ってもつる枝を巻き上げて誘引してる訳じゃなく、オベリスクに似せた支柱にふわっと乗っけたというか、こそっと所々結わえたっていうか・・・・って、すみません歯切れ悪くって。言葉で説明すんの難しいです。ともかく御本人が御本人らしく美しくあるように、そして庭主が少しでもラクであるように、と(笑)。
さらに⇩では・・・・ハハハ・・・・まぁその時その時でかなりテキトーにいろいろと(笑)

【秋・ローズヒップ】
花弁がヒラヒラ散って咲き終わるので花殻摘み(切り戻し)はかなりアバウトになるんですが(そこがまたいい!)そうすると秋には洋梨形の大きなヒップが実ります。実をつけると株が弱るとはいいますが、成株なら少し位は問題ないみたいですヨ。
⇧は10月下旬。存在感♪
【耐寒性について】
このアトリエで最初に植えたバラのひとつ。ですからこのスパニッシュビューティーとのお付き合いは既に20年近くになります。が、今の今まで明らかな凍害を被った覚えは一度もありません。でした、が・・・・酷冬越えの2021年の春は相当に厳しい状態でした。
総枝に芽吹いてはいるもの、明らかに絶不調。2年前にカミキリムシに入られた余波かとも思ったのですが、そんな感じでもない。どんな感じだったかというと・・・・芽吹くことは芽吹くけどそれで力尽きて芽吹いた先から徐々に枯死していくってパターン。ちなみこのパターンが高確率で現れるのが、根っこにまで凍害が及んだと思しき幼苗(はじめての冬越等)もっと言えば、そもそもに耐寒性に欠ける品種や生育状況が覚束ない株(枝)に見られる症状なんです。ですからまさかこのスパニッシュビューティーにそれが現れるとは夢にも思ってもおりませなんだヨ・・・・
それでもまぁ流石というべきか、うちのコはどうにかこうにか踏ん張ってくれて、何とかこうして開花期は迎えられ、その後はそれ以上に枯れこむこともなく、無事シーズンを終えた訳ですけれども。
でも、思ったんですよ。
この方の場合、小枝の先の先っぽにまで大きな花を咲かせる上に、そもそもシュート更新しにくいタイプなので、株全体で見た時に古枝の割合が非常に高いんです。これはこれでこの御方の個性であり、この方特有の美しさを生み出している要因のひとつでもあるんですが・・・・・・でも今回の場合、これが原因だったんじゃないかと。つまり、充実期を過ぎて老化の始まりつつあった枝が酷冬によって寿命を更に縮めてしまったということ。そう考えればうちのスパニッシュビューティーに、生育の覚束ない幼苗と似たような症状が出たことも納得出来ますし。
うららやグラースアンアーヘンにも似たような状況が発生したが故の仮説にすぎませんけども・・・・結論としては、或る程度思い切った切り戻しが必要な時なんだと感じました。
・・・・・とはいえなぁ~・・・・あくまで私の仮説なんだよなぁ~・・・・・確かに一般的にも『寒冷地でのツルバラは枝寿命が短い』って言われてるし、実際、暖地でスパニッシュビューティーを栽培している状況をネット等で拝見させて頂くと、うちのコの樹の在り様って結局寒冷地仕様であって、本来はもっと旺盛に繁茂する品種なのかもしれないと・・・・・ってことは今まで庭主からは視えてなかっただけで、内実この方にとって当地の冬越えは毎年結構大変だったってことなのかも・・・・・・・・・・っていやいやいや、また論点がズレただろ、今は切り戻すって決めたって話だろ、でもどこで切り戻す?足元に芽なんてないぞ?っつかそもそもココまで古くなってる主幹をバッサリ切り戻してホントに大丈夫なのか???そりゃもちろん他の師匠連は大丈夫だったよ?大丈夫だったけれども!だけどそれはあくまでそっちのケースであって貴女には貴女のご都合ってものもあるでしょうし・・・・・
ってな感じで今シーズン中ず~~~~~~っと片手にハサミを握りしめた状態で御本人様と協議に協議を重ねてまいりましたが。こういう時のご本人様って、決してその場で答えを出してくれないものなのよね・・・・・だから私としては、とりあえずやってみるしかない、と。
なので来期は例年通りの満開風景は見られません。が、来々期にはきっと。
【仕立て直しの強剪定】
はい、そして2022年秋、思いっきりに切り戻しました。
どんくらい切ったかというと・・・・・って、すみません! 証拠写真撮ったハズなんですが何故か見つからない・・・
なのでとりあえず別品種ですけど、ほぼ⇩な感じ。

ちなみに⇧はつる桜霞。⇩モッコウバラ
スパニッシュビューティーもこれらと同様にもともと主幹の少ないタイプのツルバラなので、地上部を1M以下まで切り戻すと・・・・・まぁ、とってもコンパクト(笑)。
それでも⇧の桜霞の場合は、既に新芽が待機してる状態での切り戻しだったので気持ち的にはラクだったんですが、スパニッシュ~の場合は芽なんか皆無! そらもう怖いのなんのって! その時点では完全に「・・・っつかコレ、どっから(芽が)出るの・・・?」ってな状態ですもん。でもね! 翌年早春頃には赤いポッチが次々と出現し、そして春先には、
ヤナギランが既に草丈80㎝くらいになって群生してるのでちと見づらいですが、新しいシュート群がビュンビュン伸び始めてるの解ります? やったぁーーーーー!!!出た出た出た!!! しかも以前より低い位置からのサイドシュートで、本数も増えた状態(もちろん芽かきした上で)
あぁ~~~~、ホント良かったよぉ~~~~~!!!!ホッとしたぁ~~~~!!!
あとはこれらのシュート達を大事大事にしながら伸ばすだけぇ~~~~

って、マジか・・・・物凄いスピートで伸び続けてます。 ⇧6月下旬頃。
そして更にその一ヶ月後⇩
結局秋頃には切り戻し前と同じ位の尺になりました。こうなると嬉しい通り越して感服と言う他にないですね。素晴らしき生命力。
あとは来シーズンの開花を待つばかり~~~~♪
そして待ちに待った2023シーズンが⇩
流石にまだまだ元のボリュームには程遠いですが、それでも!

って、おっとぉーーーーっ!? ちょい待て!?

ってな訳で。
【スパニッシュビューティー濃淡の謎解き】
要するにそういうことだったんですよ。
以前よりうちにはスパニッシュビューティーが2株ありまして、この二株のピンクが明らかに違ってた。 土? 個体差? それとも樹齢? 当庭にいらっしゃるお客様の中にも「うちのは濃くて…」と仰る方がいらっしゃいましたし、ネット上で画像検索しても濃いのと薄いのが混在してるのが確認出来ました。が、このことについて言及してる情報もなかったので、理由は謎のまま・・・・・
けれど止むを得ない強制強剪定をしたことによって解答が出ました。
スパニッシュビューティーのピンクに濃淡の差が現れてるのは枝齢によるもの。枝が若いと濃いピンク、そして歳を重ねるにつれて淡いピンクになっていく。これは樹(株)自体の古さじゃない。各枝(幹)の古さ。
この現象は確か同じバラ科のソメイヨシノなんかそうだったはず。若木の頃は濃いめで年季が入れば入るほど白っぽくなる。だからもしかしたら他のバラでもそうなのかもしれないけど(実際ロンサールなんかもそういう気配がある)けれど他のバラの場合は、そんな古幹になる前に随時新しいシュートに乗り換えてしまってるか、花付きが悪くなった時点で株元まで切り戻してベーサルを促すかしているから、こんな風にアカラサマな懸案事項になることもない。対してスパニッシュは上記した通り、成木になるとベーサルシュートは殆どでなくなり、そのかわりに相当な古枝小枝にまで長く花を咲かせ続けるから・・・・・・・・
いやぁ~~~~~、ありがとうございます師匠!またひとつモノを覚えました!!!
・・・・って、あり? ということは「うちのは濃くて・・・」と言っておうちのスパニッシュを撤収してしまったお客様・・・・うぅうわぁ!すっ、すみません!でもでも私も知らなかったんですぅううう!!!
とはいえあれだ。多少は日照条件も影響するってのは長年の経験から。西側や軒下で直射日光が当たらないところに咲いたのは比較的淡いピンクです(でも以前は明らかにもっと白っぽかったのよ)

そして2024。無事通常運転で冒頭画像に戻った次第♪ 