グラースアンアーヘン3種

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グラースアンアーヘン Gruss an Aachen

作出:1909年/ドイツ
樹形:半横張性ブッシュ(高さ・幅共に130くらい)
花期:若干早咲・繰り返し
花径:中大輪
交配 :Frau Karl Druschki × Franz Deegen
備考:『我が町アーヘンへの挨拶』の意
(※)耐寒性についての追記が最下部にあります

 

アーリーフロリバンダとも分類される100年以上も昔の品種。ですが強健で育てやすく、星の数程ある最新品種と取り混ぜても何の遜色もない、特A級のバラです。アトリエ真正面のフロントガーデン最前列に鎮座ましましているのは伊達じゃありません。
若干早咲きですが、これだけ蕾があるので花期は充分に長く、中咲品種とも重なります。枝振りもまとまりがよくて育てやすいバラ。ファーストローズとしてもおすすめ出来ます。
・・・って、でもそれは『放っておいても病気知らずで勝手に綺麗でいてくれる』って意味ではないですよ? 一般的なバラ栽培方法を初めて実践してみるのに適してるってこと。やったなりの成果が溢れんばかりの美しさとなって目に見えるのはバラ栽培の醍醐味ですから。言いかえればローズガーデナーにとって良き師匠になってくれるバラ。蕾から咲き始め~そして咲き終わりまで、どのステージも言葉ではとても表現しきれない程に繊細で優美。フロリバンダという系統が確立される以前の品種で、オールドローズに分類されることすらあるみたいですが、既に最高峰と言わんばかりな完成度を誇ります。っていうか片親が名花フラウ カール ドルシュキなんだから、そりゃ本物の美貌でしょうよww 経年のうちに半ばシュラブ化して、標準的なシュラブローズ(バレリーナとかメアリーローズとか)程度のボリュームが出ます。ただし成木になるとベーサルシュートは出難くなるので、うちにある一株はスタンダード状態になってます。
開花時の気象条件にかなり影響されるみたいで、日照時間が長くて暖かい年ならもっとピンクが強く出ます。寒い年の一番花はホワイト~と違わない位だったり。

⇧が、スタンダードローズになってる(なっちゃった)株の全景。横張性の枝振りですが、ブッシュ状に茂ってまとまりはいいです。暴れる感じではありません。

 

【秋バラ】


よく咲いていらっしゃる♪ 花数はもちろん少なくはなりますが、ゆったりとした大輪花は花保ちも非常によく、更にうちでは敢えての夏剪定をしないので花期がバラつく分、本当に長期に渡って咲き続けている印象があります。秋の始まりから初冬まで・・・ってか夏も咲いてるんですよね。炎天下で咲く時は真っピンク!なので、ついギョッとしてしまいますけども(笑)。

晩秋になると白バラっぽい感じになります・・・・・って、黒斑はお気になさらず~。だって秋だもん♪ 魅せる為の春夏に対して秋はあるがままの美しさ。

 

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ホワイト グラース アン アーヘン White Gruss an Aachen
作出:1942年/オランダ
備考:枝変わり種。花色以外のスペックは同じ。

咲き初めの頃はグラースアンアーヘンとそんな違いはないんですけれども(たしかにこちらは微妙にピンク味が抜けてるんですが、あちらもあちらで天候の案配によってはかなり白っぽくなりますし)


全開する頃にはちゃんとホワイトローズ。但し純白というより練乳ミルクww そしてこのフンワリ感♪ ゆったり優雅に咲ききっても尚、花芯が見えません。

グラース アン アーヘン Gruss an Aachen グラス アーフェン ホワイト white


⇧ ちょいちょい写ってるお隣の不思議色はディスタントドラムス それと奥の白い小輪はロサオドラータ

ちなみに⇧以前のデッキ。⇩新しく作り直したデッキw
ついでに⇧のデッキから眺めおろすと⇩な感じ♪

 

 

【秋バラ】


ホントこの蕾の数! 後ろにアスターが写ってなかったらハイシーズンと見紛うかも。

これも向こう側からパシャリ。良いガーデンローズっていうのはホントいつでも絵になるものなんですね。。。手前はノリウツギの天然ドライ。これもまた秋の風情。

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耐寒性について

うちではこのグラースアンアーヘンとのお付き合いは早10数年になります。が、今の今まで明らかな凍害を被った覚えは一度もありませんでした。でした、が・・・・酷冬越えの2021年の春、ケッコー派手にやらかしました。上記の通り、スタンダードになっている上部が凍害によって半分以上枯死。これはかなりショックだった。それでもまあ残り半分は何とかけなげに咲いてはいましたが。
実はその状態、スパニッシュビューティーと何気によく似ていました。(こんなトコでまで血縁を感じさせんでも。。。)ちなみに双品種の同じ片親であるフラウカールドルシュキには凍害によるダメージはさほど見受けられませんでした。ということは・・・・多分それぞれのもう片っぽの影響か。。。HT系みたいだしな・・・

まぁ兎も角そんな訳で、このコを含めてダメージを受けたバラ達の状態をシーズン中ずーーーーーーーーっと眺めてた訳なんですけれども。そこでふと。
・・・あれ?確かにグラースアンアーヘンは半壊のダメージだったけど、ホワイトグラースアンアーヘンのほうはそうでもない。多少の差し障りはあったけどそちら程じゃない。何が違った?何が違って生死が分かれた? ん?これってもしかしてうららで起こってたことと同じなのか? だとすればスパニッシュビューティーでも同じコトが・・・??
要するに、古枝ほど凍害のダメージが出てる気がするってこと。グラースアンアーヘンは先述した通り図らずもスタンダード仕立てになってしまってた(ヘタッピだからだよ)こともあって、結構な古枝まで大事大事にしてたんです。実際それでよく咲いてましたしね。でもホワイト…のほうは主幹が何本かあるので一般的なブッシュローズとしての剪定が出来ていた。おのずと古枝の割合も株全体で少なかった・・・・・・・そゆこと?

ただ残念なことに、うちの師匠はそーそー容易く答えを教えてくれません。先述ではバラ栽培の良き師匠になってくれるとは言いましたが・・・・・長くつきあっていくほどにまるで底なし沼が如く(笑)。ともかく考えて考えて何とか対処方法をみつけて、それが合ってるかどうかも解からないままとりあえず実践してみなくては。そんでずーっと後になってからようやく結果という回答を出してくれる・・・・それが師匠のやり方。ですから本当の答えは来期、いえ来々期にならないと解らないかも。ガンバレ私。師匠を信じて。

 

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ピンク グラース アン アーヘン Pink Gruss an Aachen
作出:1929年/オランダ
備考:2005 年頃までチャイナ ローズの イレーネ ワッツ として流通していた枝変わり種

たまたまHCで見かけて、つい買っちゃった(笑)。まぁ、言い訳っつーのも可笑しいですけれども・・・・
当庭では元品種の色合いがかなり白っぽくなりがちで、植栽デザイン担当者として欲を言えばココはもうちょっとピンクが出てくれたほうが・・・とかなんとか実は内心こっそり思ってたんですよね。開花時期の気候によるものなので仕方ないっちゃあ仕方ないんですけれども、先述した凍害によって元品種をガッツリ強剪定してしまった折に、狙いすましたかのようなタイミングで此方様に巡り合ってしまいまして、デスネ。。。
なので一時的に小さくなった元品種のすぐ隣に植え付けてみました。いずれこの色違い2種がまるで一株のシュラブみたいに育ってくれればいいなぁ~と期待しています。

うん。さすがにピンクだわ(笑)。⇩背後にいるのが本家のアーヘン