ジャクリーヌ デュ プレ 

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ジャクリーヌ デュ プレ Jacqueline du Pre

作出:1988年/ハークネス(英)
樹形:半横張りシュラブ
花期:若干早咲・繰り返し
花径:中輪
交配:Radox Bouquet × Maigold
備考:1960年代に活躍し夭折したイギリスの天才女性チェロ奏者に捧げられたバラ。いくつかの候補の中から御自分で選んだらしいです。当時既に目が見えなくなっていたので、この香りから。

 

純白というより、こってりとしたクリームな感じの白。顔写真だけではフツーに綺麗な白バラですが、独特の存在感がある極めて個性的なバラ。例えばこのバラを私なりにご紹介しようと思うと、とにかく欠点ばかりを挙げ連ねてしまいそうになるんです。日差しが強いと花弁の先がチリッと灼けるとか、片時も静止せず咲き急ぐような花保ちの悪さとか、枝ぶりの奔放さだとか・・・けれどこのバラの場合、その欠点こそが最強の魅力であるような。早咲きな上に花保ちが抜群に悪くって、咲き始めると「…え?ちょちょちょ、待って待って待って!」ってな感じになるんですが、絶え間なく次々に開くので⇧⇩くらいなボリュームが案外長く続きます。しかも回転も早く、一番花群が全部咲き切る頃には既に2番花っぽい蕾が上がってきてます。ドコまでが一番花でドコからが二番花かよく分からなくなる・・・・でも前述通り一輪の花保ち自体は悪いからずーっと満開状態にある訳でもなく、たまに休憩がてらシレッと途切れてたり。本当に・・・・自由です(笑)。
⇧左端に早咲きのグラースアンアーヘン  ⇩背後に遅咲き代表シンデレラ⇩の背景は早咲のスパニッシュビューティーと、中咲のピエールドロンサール

半つるの枝が斜め45℃で好き勝手に伸びます。半ツル性なので小型のつるばらとして誘引することも可能でしょうが、うちではブッュっぽく仕立ててます。但し横張な枝をそのまま切り詰めるといろいろ不都合が生じるので・・・下草掻き分けて特別ショット(笑)。ちなみに添え木にしてんのは秋に剪定した庭木の枝。ともかくジャッキーの場合うちではこうやってちょっとだけ幹枝を立てて高さと株張りの横幅を調節しています。本来ならそれすらナシで自然樹形を楽しみたいところではありますが、あまりに自由奔放が過ぎてしまうと、そこはやっぱり『庭』なのでね・・・・・
という訳で⇧の地上部が⇩になってる次第。

で、花弁が灼けるっていうのは、⇧の右上端っこに写ってるそれがそう。全体として理想的にキレイな状態をキープするには、花期は毎朝の手入れが必須となります。
しかも今朝咲いた花すら、お天気が良すぎると午後には⇩の感じ。ジャクリーヌ デュ プレ Jacqueline du Pre花容のみではなく樹全体の佇まいとして、その個性の強さゆえに、他のバラとコラボさせるより草花や低木類と組み合わせてナチュラルな雰囲気を作ってあげたほうがベターでしょうね。(…なんて言っててうちでは隣合わせてますけど)

ジャクリーヌ デュ プレ Jacqueline du Pre

ジャクリーヌ デュ プレ Jacqueline du Pre珍しく室内にて⇧ この時は確か雨で花枝がでろぉ~んとしなだれちゃったのよね。。。照っても降っても手のかかるバラなんだけど、「……あ゛ーーー!もうメンドくさいなっ!」とかと悪態吐きつつ、それでも最も大事なフロントガーデンど真ん中の定位置から決して退けない。退ける気なんか一切ない。私にとってそういうバラです。
ちなみに半八重カップ咲で、赤い花芯がチャームポイントの白バラといえば、マーガレットメリルがありますが(どちらもイギリスのハークネスが作出)タイプというか雰囲気が全然違いますね。どちらも美女であることには変わりませんが、あっちは正統派美女。こっちは・・・例えるなら自由奔放な個性派女優。といっても気難しいとか病弱とかいうのではありません。育てやすい部類に入ります。但し、前提として『こちらの思惑なんてどこ吹く風』な御方なので、そういうのを愛せる方向きかな(笑)。顔写真だけでは分からない性格的なことです。何かの参考になれば。※半ツルという特性によってシュラブローズであることは間違いありませんが、但しうちで言う『シュラブローズ=庭風景を構成する灌木』として、安定した役割を果たしてくれるかどうかは微妙かも。そういうトコロまで自由だなァ、おい、って感じです(笑)。

 

【秋バラ】

折角いっぱい咲いてんのに件の通りあっちゃこっちゃなもんで、どう捕まえればいいもんだか。仕方ないからお隣さんの画像を拝借w

グラースアンアーヘン ⇩バロンジロードゥラン