シンデレラ

カテゴリー|

シンデレラ Cinderella

作出:2003年コルデス(独)
樹形:特大・横張性シュラブ(2.5×2.5以上)
花期:遅咲・繰り返し
花径:中大輪
交配:実生 × Centenaire de Lourdes

 

・・・へー・・・片親デルバールなんだ・・・・チョー意外・・・・ってか私、きっとコルデスにはグレートマザーがいるに違いないって思ってんですよね。もう片親の実生っていうのは絶対それだと思う(笑)。強健で太枝横張で伸長力があって照葉で遅咲き大輪四季咲の、物凄ぉ〜い御母上様。例えば・・・ニュードーン絡みの実生とかそーゆーの。


つるばら表記で販売されてますが、当庭では御覧の通りに自立させてシュラブ扱い。支柱なんか要らないほど太幹に成長する上に、何処をどんだけ切っても切った幹からぶっといシュートがばんばん出てきます。なので剪定も容赦なくガッツガツと。

360度こんな状態。ともかく周りをぐるぐるいってみましょうww

⇧を反対側からみると⇩  背景のロザリューム ウェータセンが終わりかけてます。主役交代。

これだけ大型シュラブともなると、その逞しき足元隠しはそんじょそこらの草花じゃ無理。大きな葉を密に茂らす大型宿根草やしっかりと形をなす灌木(シュラブローズも含めて)でないとバランスが取れません。そしてそれらを配する時は、シンデレラが『逞しい横張性』であることくれぐれもお忘れなく。横張枝を見越した位置に配ないと、あっとゆー間につぶされてしまいますので。特にこれからシンデレラを庭にご投入する場合は・・・小さな苗の段階ではなかなかイメージが掴みにくいものですけど、とりあえずうちのコの画像を沢山貼っておきますので、ご自分の庭にどんな風に嵌るか仮想してみて下さいまし。シュラブが決まれば庭は必ず決まりますヨ。


ムーンライト ⇩アンジェラ  みんな『ツルバラ』流通しているコルデスのバラですが、冬季剪定さえキッチリしとけば生育期にはサポートすらいらない組。大きな庭ではこういうバラこそ頼りになります。誘引するにしても・・・・『ツルバラ=自立出来ない』から誘引しなければならない・・・って訳じゃないのを知っておくと、いろいろ大きく違ってくると思います。少なくとも「このツルバラ、枝が剛直だから誘引するのすごく大変!全然思い通りにならない!」という労苦からは解放されるかと(笑)。


ジャクリーヌデュプレ  ⇩手前のベティーコーニングが⇧の最奥にいるの見えます?

それとこれは長所でもあり、短所でもある事なんですが・・・・
この品種は前述通り『ツルバラ』として流通しているぐらいなので、素晴らしい伸長力があって、それだけにステム(花茎)もかなり長いのです。なので最盛期に雨が降ると相当しな垂れます。まぁ、露払いと花殻摘みさえすればまた持ち上がるんで、うちでは「このコはこんなもん」って割り切ってますが、これを「暴れる」or「乱れる」とすれば、結構大変なんじゃないかな・・・とは思います。

あ・・・・っと、それでついでにひとつ、余計なことを言い添えますけれど。
通販のカタログなんかで、白いアイアンアーチにこのバラがはんなり絡まってる画像、どっかで見かけたことありません? シンデレラっていう名前とこの美貌で、本当に夢みるように素敵なんですが・・・・前述した通り、この姫はものすっごい逞しい太枝性の半横張性(ピエールドロンサールかそれ以上に太いベーサルシュート、って言えば伝わります? って、そだ!⇩画面の右端に立ち上がってるユリの茎もしくはそれ以上に太いシュート! しかもそれが斜めな角度で放射状に。ついでに御立派な棘付きww)なのでホームセンターで売ってるような華奢なローズアーチには絶対に絡められないと思う。だって絡めるも何も、そもそも支柱なんか無くったってガッツリ自立しちゃいますからね。あの画像を再現するなら・・・・鉢植え?盆栽みたいに根っこに制限かければいくかもしれない・・・って、すみません鉢栽培は殆どやったことないんで分かりませんけど(-_-;)兎も角、ご覧のとおりの超・健康優良児で「向かうトコロ敵なしっ!」感がものすごいんですけれども、逆に花容は澄んだソフトピンクっていうか桜色っていうか、ロマンチックそのもので繊細&優美この上なし。お天気にさえ恵まれれば、まるで吸い込まれるような透明感を放ち、大げさでもなんでもなく、まさに異次元の美しさ・・・・

・・・・・うん。但し『お天気にさえ恵まれれば』ってことなのヨ。自分で言って自分で上げ足取るのもなんなんだけど、そこにたったひとつ。このバラにはちと看過できない重大な欠点がございまして。

開花直前の雨にかなり弱いんだな、これが。これだけ繊細な花弁がギュウギュウに詰まってるので仕方ないトコロもあるんでしょうけど、咲き切れないでボーリングしちゃうんです。しかも当地でのこのバラの開花は梅雨入りと一緒ときたもんだ。なので天候の巡りあわせによっては、もっすごい量の花枝を咲き損ねた蕾のまま剪定しなくちゃならない羽目になることもある。正直これは辛い。もちろん四季咲きなんでまた咲くんですけどね。花弁数が多いんで、夏花でも美人ですけどね。もちろん秋にもちゃんと咲くタイプなんですけどね。でもさ・・・・・ツライものはツライのよ・・・・・

・・・・・あ゛ーーーーー・・・・・・・
そうは言ってもホント綺麗なのよ・・・・何、このピンク・・・・至宝だわ。。。

⇧の背景白バラは同じく遅咲きのモン ジャルダン エ マ メゾン
⇩の背景ボケボケのクレマはフォンド メモリーズ。

というわけで。花期が梅雨に被る地域においては重大な欠点持ちのコですが、基本的には超ハイスペックな素晴らしいシュラブローズです。葉っぱなんていつみてもピッカピカだし。ここに載せてる画像の中には別品種に見えてしまうものもあるでしょうが、庭主から見ると全部シンデレラ。それだけ表情が豊かだということです。おかげで私は毎年毎年膨大な量のシンデレラ画像を撮ってる気がする。。。彼女とのお付き合いも随分長くはなりましたが、それでもおそらく来年も、またその新鮮な表情に何度も目を瞠ることになるのでしょう。私にとってシンデレラとはそういうバラです。

・・・で、余談になりますが。もしこのバラの風情や色艶に惹かれて、でもこんな巨大化するのはムリ~ってお考えになったのなら、プチ トリアノンをおススメします。顔写真だけではそんなに似てるとは思えないでしょうが、ガーデン内で実際に咲いてる状態を全体として眺めるなら、とってもよく似ています。透明感のあるピンク具合と・・・なんていうのかな?雰囲気的なものが。花期的にも同じですし、もしかしたら片親が同じとか、掛け合わせが逆とか、そんな気すらするんですよね。但しそうであるが故、その2つを並べては植栽しないほうが宜しいかと。同じに見えすぎて見映えしないです。