モン ジャルダン エ マ メゾン

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モン ジャルダン エ マ メゾン Mon Jardin et Ma Maison

作出:1998年/メイアン(仏)
樹形:大型・半直立性シュラブ(ステムが長いのでツル扱いが妥当)
花期:遅咲・一季
花径:中輪
交配:(Margaret Merril × Bonica’82) × Pascali
備考:『私の庭と家』の意

 

素晴らしい白バラ。一季咲だからといって敬遠して欲しくないツルバラの双璧。
(ちなみにもうひとつは早咲きのスパニッシュビューティー☆彡)

まずは樹について。
よく伸びる大型種なんでツルバラ扱いが妥当なんですが、性質自体は上への伸長力が強い立ち性のシュラブ。なのでまっすぐ縦に誘引しても上から下までまんべんなく花が咲きます。(って言ってもある程度の高さからでしょうケド) モン ジャルダン エ マ メゾン Mon Jardin et Ma Maisonそして株に充分な力がつくと見事なスプレー咲になって蕾があがるので花期が非常に長くなるのも特徴。⇧⇩で確認できるかと。フロリバンダ的ではなくグランティフローラ的な房咲。この性質は御両親の血縁にクイーンエリザベスがいるのでおそらく間違いないんじゃないかと思います。
ともかく一斉開花して空間を薔薇色に染め上げるタイプではないものの、花と緑のバランスは非常に美しいと思います。葉は艶々の深緑。よく茂るので目隠ししたい場所にも適役。


夏以降ベーサルシュートがバンバン出ますが、直立性なので全部ぐるっと一纏めにして傍の手頃な何かに括って保護しておけば、さほど邪魔にはなりません。そこはピエールドロンサールの性質にすごくよく似ていて、株元のスペースがあまりとれなくても上空では思いっきりに咲き溢れさせることが可能な品種です。ただしステム(花首の茎)がとっても長いので、ポール仕立てやご家庭用のアーチにはあまり向かないんじゃないかな。高く広い面をがばーっと覆うようにして咲くのが得意なバラなので。モン ジャルダン エ マ メゾン Mon Jardin et Ma Maison⇧⇩の左端・濃いコーラルピンクはロザリュームウェーターセンの終わりかけ。手前の薄いピンクは当庭では遅咲きの代表・シンデレラ⇧の角度を少しずらすと⇩ 中央の黄色いのはムーンライト

次に花について。
とっても素敵なアンティーク風なんですが・・・・案外小ぶりですよ?
一輪咲いた顔写真だけ見るなら『ブラン ピエールドロンサールと何処が違うの?』って感じですけど、あちら様よりずっと小ぶり。ネット上の諸所データでは何故か大輪と記載されてる事が多いんですけども・・・・(って追記。もしかしたら、なんですけど・・・株のコンディション等によって上記したような房咲にはならずにHTのように一輪咲で咲いた場合には、もしかしたら大輪になるのかもしれない・・・・分かんないケド)モン ジャルダン エ マ メゾン Mon Jardin et Ma Maison
・・・うん、確かに⇧の画像だけ見るなら大輪っぽい。。。
それじゃあ実際に見比べてみましょう(笑)!
ど真ん中で真正面向いてるのと、その左肩のクリーム色の咲きかけがモンジャルダン~。
そのすぐ左斜め後ろにいるのがヘリテージの白。右隣の純白中輪がアイスバーグ
花のサイズ感はやっぱ上記ふたつと同じくらいです。確かに咲き切った最終段階を以って中大輪と表現するのはアリなものの、大輪とするのは流石に・・・・
この中で私があきらかな大輪と感じるのは、左端のサマーメモリーズ(い、いやセバスチャンクナイプかも…)と、右奥のロン様の2品種。

ついでに言い添えておきますと、ロンサールは中咲で、モンジャルダン~は遅咲。
⇩は中咲き品種と遅咲き品種が咲き継ぐ束の間の一瞬。左端に辛うじてロンサールが咲き残ってます。画面中央奥の白いツルバラがモンジャルダン~。今まさに最盛期を迎えようとしている頃。
そしてこれは多分に主観的な話にはなるでしょうが、ピエールドロンサールが華やかさと豪華さを極めたような御方なのに対して、モンジャルダンエマメゾンは上品でシックな雰囲気。繊細な大人可愛さを体現するとこのバラになる、って感じかな。顔写真だけではどうにも掴みづらい雰囲気的なことなので・・・・どなたかの品種選びのご参考にでもなれば。モン ジャルダン エ マ メゾン Mon Jardin et Ma Maison・・・あ~も~それにしたって、なんて可愛いの! 小顔美人とは彼女のことです! しかも咲ききったお顔がまた堪らなくww 最後までまぁるいカップを崩さず魅惑のロゼッタで、ハニーミルクなグラデーション。丁度アルキミストを思いっきり漂白した感じ(って、おい!言い方!)
お花屋さんのガラスケースの中にいるバラにも匹敵するような美貌であるうえに、前述したとおりステムが長いので、切り花にしても十二分に美しいガーデンローズです。シャビーな空間にサラッと一枝活けてあったら、それだけで私きっと頭抱えてしゃがみこむと思う(…なんだそれ)もちろんキュートにもロマンチックにも映えること間違いなし。モン ジャルダン エ マ メゾン Mon Jardin et Ma Maison


それと、一般的には微香と言われてるみたいですが、うちでは「このバラの香りが一番好き!」って言ってる人もおりまして、実は私もかなり好き・・・・まぁ、そもそもがマーガレットメリルの孫娘ですもんねぇ。もちろん強香でこそありませんが、白バラ特有の上品で清楚な甘さと青林檎の爽やかさ。優しい芳香です。


年によって若干発色が違います⇧⇩ しかもこういう繊細なニュアンスカラーはその時々の光の加減にも影響されますし(すみません撮るヒトの腕が不安定なもんで尚更(-_-;))

モン ジャルダン エ マ メゾン Mon Jardin et Ma Maison強剪定系のクレマとは物凄く相性いいと思います。先述した通り花期が揃うだけでなく、花容的にも風情的にも。しっとりとした上品さの相乗効果。
但しモンジャルダン~自体にクレマは絡みません。葉っぱが密にワサワサしすぎててクレマの蔓が逃げちゃいます(経験者談!) 近隣のどっかに植えて、上空のどっかでランデブーさせるやり方がベストなんじゃないかと。⇧のクレマは・・・・え、っと・・・誰だっけ(;’∀’) ⇩は間違いなくミクラ。ついでに銀葉白花の草花はスイセンノウ。当庭内では既に好き勝手な場所で自生してるコ(笑)。で、これはあまりお見せするようなものでもないのですが、⇧を室内から写したのが⇩モン ジャルダン エ マ メゾン Mon Jardin et Ma Maison『直立性シュラブだから横幅を取らない』って意味が伝わるかなぁ~と。あれだけのボリュームで咲いてても身丈くらいの高さまでなら大人の腕でゆるっと一抱え出来る程度(い、いや実際には棘があるから難しいだろうけど、あくまで感覚として)の空間があれば大丈夫そうでしょ? もちろん高さ同様に横幅も広くカバーしたいなら、シュートを株元から素直に扇子の骨みたく広げれば楽勝。Simple is Best. です。
逆に、高さはさほどないけど横幅のある低めのフェンス等に誘引したいならペニーレーンのほうが枝振りからして自然かな。花型は多少違いますけど、色合いや大きさ、それからアンティーク風の風情はよく似ています。但しそっちはモンジャルダン~ほど大型にはならない比較的コンパクトなツルバラ(四季咲きでステム短め)ですけどね。

っと、もうひとつ、経験談として。
このバラって上記した通り、案外小顔で控えめな風情なんです。しかも植えつけてから数年ほどは花数が少ない上に花型も整わなくて『よく茂るワリには、お花は地味だしちっとも可愛くない。一季咲だしハズレだな…』とかってなりそうな。ましてやゴージャスな大輪花を期待しちゃってると尚更です。実際、大苗で植えつけてから数年間、私はこのバラをただの一度も美人だなんて思ったことなかった。やたら葉っぱのワサワサした・・・・単なる緑化担当要員ぐらいにしか認識してなくて  σ(^_^;)   ところが、です。或る年いきなり大化けしたんですよ! そしてそこからはこの通り、毎年絶賛してる次第。

まぁ、これはすべてのバラに共通して言えることですが、うちでは原則的に、バラ苗(2年生以上)は植え付けから丸々3年間はお子ちゃま扱いが妥当だと思ってるんです。ましてや大型種ならそれ以上は掛かるかと。枝振りや樹のサイズのみならず、花型や香りや花保ち、それから耐病性なんかも本来のスペックを発揮するのは成株になってから。確かにそう思ってバラ栽培やってるつもりだったんですが・・・・まさかここまで鮮烈にその違いを見せつけられる事があろうとは。モチロンお子ちゃまのうちから素晴らしいパフォーマンスをみせる品種もありますが、少なくともこのモンジャルダンエマメゾンの場合は、御本人が大人になってそれ相応の体力を得るまでは、決して本領と真価を発揮しないみたいなので・・・・ご参考までに。確かに若い時は黒星がちょいちょい出てましたけど、そんなんイチイチ気にしなくていい位には強健な品種ですし、どんなコだって小さい頃はみんな風邪ひきやすいよねーって感じで、緩ぅ~く気長に構えてて大丈夫だと思いますヨ♪ (すみません、基本的にうちはそーゆースタンスなんでww)