フロレンティーナ

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フロレンティーナ Florentina

作出:2011年/コルデス(独)
樹形:横張性つる(ランブラー系の! クライマーではなく!)
花期:遅咲き
花径:中輪

 

栽培数年目にして、ようやく正体を掴んだぜ。。。
・・・・・おまえ・・・・・さてはツルバラだな!?(おーーーーい)
いえ別にふざけてる訳でも何でもないです。というのはですね。
そもそもうちでは商品タグ等に記載されてる『ツルバラ』表示は殆どアテにしてないんです。ましてやコルデス品種は日本国内の暖地では巨大化する傾向があるらしいので、軒並み『ツルバラ』として流通しているという事情がある。アンジェラなんかがその代表で、あのこもドイツ本国ではフロリバンダです。寒冷地とはいえコルデス本拠地よりは暖かい当庭においても、アンジェラは確かに大型化はしてますが、ツルとしてではなく自立樹形で扱えてます。他にもシンデレラサマーメモリーズムーンライト・・・挙げだしたらキリがない、っていうかそれがもはや基本パターン。なので、このフロレンティーナもおそらくそんなんだろうと・・・
違った! このコはホントにツル! 確認したらドイツ本国でもツルバラ表示だった!

何がどう違うかというと、フロレンティーナはホントに誘引が必要な枝振りだということ。
日本国内では一般に大型化するからツル扱いされてるコ(イングリッシュローズ全般もそう)というのは、実のところ御本人的には誘引を必要としてないんですよね。一般には『ツルバラ=自立出来ないバラ』とされていますけれども、ハッキリ言うと自立出来るもののほうが多いです。気候的に、或いは樹勢が強すぎるために良く伸びすぎてしまうからサポートないし誘引をするってだけの話で、言うなればそれはあくまで栽培する側の都合・・・クライマーも似たような感じ。解りやすいところで言うと、よく四季咲きブッシュの枝変わりでツルバラになった品種がありますけど、それは繰り返し花を咲かせる事よりも伸びるほうにエネルギーを使うタイプになったってだけで、枝質や樹の性質までは変わりません。なので放っとけば自立します。ただ、伸びすぎるだけに庭の中では風雨に煽られて不安定になるorより多くの花を咲かせたい等で、支柱を立てたり誘引して枝を結んだりしてる・・・そういう感じ。詳しくは【自然樹形でバラを育てる】もしくは実例としてアイスバーグ(つる)にてどうぞ。
ところがフロレンティーナはそうじゃない。逞しい太枝シュートをグングン伸ばすけど(しかも思いっきり横張に)その枝質は非常にしなやかで、アンジェラやシンデレラのようには決して自立出来ない。なんていうかな・・・・ズルズルズルッ!って表現になるような枝ぶりと伸び方。たとえばランブラーローズみたいな、あるいはニュードーンの横張太枝シュートから芯を抜いたような(伝わる?)・・・・・・・だからコルデスもはじめっから『ツルバラ』と表示してる訳ですね。(←ようやく辿り着いた)
なのでうちでも来期からは誘引してみます。自立することを前提にしてたんで正直ちょっと「ど、どうしよー・・・?」ってケッコー動揺中ですが、春までに何とかアイディアを捻り出さねばなりませぬ。

・・・ってグダグダ書いてますけど、フツーのお宅では『ツルバラ』表示されてたら間違いなくツルバラとして育てますよね・・・・すみません、うちはこんなんばっかりです。
その上で書き添えますと、このフロレンティーナはおそらくルージュピエールドロンサールよりも、よりロンサールに似た開花風景を魅せてくれる紅ツルバラなのではないかと。もちろんロンサールとはそもそもの樹形や樹姿は違いますけれども、先述した通り非常にしなやかなツル枝なので如何様にも誘引出来るでしょうし(とはいえ太枝です。ダイナミックにいきましょう!)花の風情は優雅に首を傾げる大輪アンティーク風ですし。とはいえコラボ出来るかと言えば残念ながらNO。ルージュ同様こちらも遅咲きなので。逆にいえば、ロンサールの花後の喪失感を劇的に払拭させる力があります。そう、チカラが・・・・力・・・・うん。但し、です。但し、うちでこんだけ強健に力強く伸びてる品種が、暖地栽培でどうなるかまではちょっと与り知らないトコロですけどね(笑)。

 

そしてとうとうツルバラとして誘引したシーズンが⇩


良き良き♪ どんな風に誘引してるかは言葉で説明するのがちょっと難しいんだけど、この技、他でもいろいろ使えそうなのでいずれご紹介致します。今回は上手くいくかどうか分からなかったので誘引時の写真撮ってなかったのよね。とりあえず予算¥2000以下でこのパフォーマンスなら合格点ということでww


で、その翌年。素晴らしいボリューム感! 誘引自体も大変上手くいって・・・・

・・・え、えっと・・・・但し重量感が予想以上で、実は支柱に使ってた園芸用の金属パイプが、折れた。そして⇧の状態がそのまま倒れ伏した。まじでサ。まぁ、経年劣化してたとは思うんだけどそれにしたって・・・・・開花直前の惨事だったもんで、なんとか最低限は立て直したけど全体像を取るには流石に至らず。来年こそは・・・・っ! ぶっといパイプ買ってきます。

⇧立て直し後の一部。庭主の苦労なんて知ったこっちゃない逞しさ